毎年、ある日を境に夏がやって来るような気がする。
今年の東京は、昨日、7月3日から空気の様子が変わった。
6月にだってもちろん暑い日はあった。ああ、もう夏だ、この湿度たまらないな、などとぼやくこともあった。しかし、7月3日の暑さには、ああ、そうだった、日本の夏はこれだった、忘れていてすいません、と自分の認識の甘さを痛感させられる何か異質なものがあった。全身を取り巻くネッチリとした逃げ場のない暑さ。
暑い。肉を脱いで骨になりたい。
夜も寝苦しい。起きてもスッキリしない。むしろ疲れている。そして体のあちこちがこわばっている。自然な寝返りができていない上、扇風機の風で体が冷えたせいだろう。
それで朝からストレッチポールの上で仰向けになる。「んはあ」とか喘ぎながらごろごろする。
このポールは最近導入したのだが、パソコンのディスプレイを長時間にらみつけたり、スマートフォンの画面を長時間みたりして、前傾姿勢によって首に負担がかかっている人におすすめである。
背骨を後ろから押される。こういう方向の力のかかり方はなかなか味わえない。足の裏を付けた状態で、ゆっくりと足を開いていくと、これまた経験したことのない心地よい痛みを尾てい骨周辺に感じる。仰向けで腕を広げ、床につけた手の甲をゆっくり上下に動かすと、背中と肩でなにやらゴリゴリ音がする。
起き上がる。こわばっていた部分が少し楽になっている。しかし、暑い。夏はまだ始まったばかりである。