先日、蓋碗を購入したことを書いたが、あの碗を眺めているとワンズが飲みたくなってきた。
漢字で「碗子」と書く。八宝茶という名称の方が一般的かもしれない。中国の西の方を旅行していると、棚に碗子用の蓋碗を並べている食堂がよくあった。
碗の中にはリュウガン、ナツメ、クコ、茶葉、氷砂糖などが入っている。ここにポットから湯を注いでもらい。氷砂糖を溶かしながらちびちび飲む。割と大きな碗に材料がぎっしり入っていて、3煎くらいまではおいしい。寒い季節にストーブ近くに陣取って、バスが来るまで碗子をすすっているとすごく温まるし、周囲の客がなんやかんやと世話を焼いてくれて楽しかった。もう四半世紀も前のことなので今でもあんな風な店があるか分からないけど。
あらためて調べてみたところ、もともとは回族の飲み物らしい。なるほどだから西の方でよく見かけたのか、と納得。
関連:回族的刮碗子茶_佛缘在线
レシピは、八宝茶的做法などが参考になる。材料をそろえるのが少し手間だが、そうはいってもネットで何でも手に入る時代なので検索してクリックし、2~3日でだいたい揃った。
ナツメが来るのが遅れたので、取り急ぎそれ以外の材料で作ってみる。この写真にはないが、家にあったレーズンも3~4粒入れた。なお、購入した蓋碗はそれほど大きくないので、今回は急須を使った。緑茶はティーパックの中身を取り出した。こういうのの方が良さそうな気がしたのである。
ここに湯を注いで待つこと8分。気長に待つ。急須からは煎じ薬のような匂いが漂ってくる。菊の花がきいてる。
茶こしを使って蓋碗に注ぐ。うむ、緑茶を入れたのに緑茶ではない色になっている。
あ、おいしい。氷砂糖がレシピで40gだったのを、あんまり多いので30gにしたのだが、それでもしっかり甘い。やっぱり碗子はしっかり甘くなくてはいけない。菊とリュウガンが入っているせいか煎じ薬のような風味がある。クコとレーズンはあまり感じない。飲んでいると汗が出てきた。なんかの作用か気候のせいか(この日の気温は28度)。
おいしく2煎いただいた。最後の楽しみはリュウガンである。ムクロジの仲間でライチの親戚なので、見た目からは想像付かないかもしれないが、果肉部分はけっこう甘い。ドライのままでも食べられるが、碗子にするとふやけて食べやすくなる。
中の材料を変えるのも良さそうだ。茶葉も検討の余地がある。楽しい。