先日、母が「ばあさんは米寿を過ぎても『ごうわくわあ』などと文句ばかり言っている」と愚痴っていた。祖母は口が達者なので相手をしている母には同情するが、私は「ごうがわく」という言葉を久しぶりに聞いてなんだか懐かしかった。「業が沸く」、つまり「腹が立つ」の意味だが、口調などから判断して今風に言い直せば「むかつく」くらいがぴったりだろう。あまり広く使われている言葉ではないけれど、「業を沸かす」は辞書にものっているので方言というわけでもなさそうだ。検索すると兵庫や鳥取、名古屋などの方言として紹介しているサイトがある。私が中学生くらいのころは、あんまり柄のよろしくない連中が「われごうわくのお」とか言いながら顔を斜めにして人を威嚇していた。ふむ、実に懐かしい。
ところで「業を沸かす」や「業を煮やす」の「業」は何を意味しているんだろう。「業腹」?それとも「カルマ」の方の「業」?