WindowsにはLCMapStringという関数が用意されている。文字列の全角/半角やひらがな/カタカナの変換機能を提供する関数で、簡体字/繁体字の変換もサポートしているのだが、この関数の変換テーブルには間違いがあるようだ。
テキストエディターのEmEditorで提供されている簡繁変換のプラグインもこの関数を利用しているのだが、繁体字の潟を変換すると泻に変換されてしまう。泻の繁体字は瀉で潟とは全く別の字である。「干潟」が「干泻(ひからびた下痢)」になったり、「新潟」が「新泻(新しい下痢)」になったりして困る。
大陸のWEBサイトなどでたまに「新泻县」を目にするのは、この関数が原因のひとつと考えられる。
追記:Googleで台湾のサイトを対象に「潟」の検索をすると「潟」と「泻」が同一視される。問題の根は深い。
こうした間違いが起こる原因として、写の旧字体である「寫」と俗字の「冩」の存在が考えられる。これらの新字体はいずれも「写」であるため、「潟」の簡体字として「泻」が類推されたのだろう。
「泻」は日本でも「潟」の略字として使われてきたのでややこしいが1、中国における簡体字の成立には関係ないのでここでは触れない。
関連:新潟県:中国語における「新潟」の表記について
「泻」は日本でも「潟」の略字として使われてきたのでややこしいが1、中国における簡体字の成立には関係ないのでここでは触れない。
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