メール環境の見直し

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ある朝、愛用しているメーラのThunderbirdを立ち上げると、受信トレイから送信済みアイテムまできれいさっぱり消えていて、インストールしたての時のように「アカウントの設定をしてください」というダイアログが表示された。しばらくの間、何が起こったのか理解できず、私は口をぽかんと開けて画面を眺めていたのだが、徐々に何が起こったのかを理解し、寒気におそわれた。データがすべて飛んでしまったのだ。

私が使用していたのはThunderbird PortableでUSBメモリにインストールしていた。すぐに画面を閉じ、[インストールフォルダ]→[Data]→[profile]フォルダの中身を確認したところ、幸いデータ自体は消えていないようだった。まずは万が一に備えて、メールやらアカウントの情報が格納されているprofileフォルダをパソコン側に丸ごとバックアップした。その後、あれやこれやと格闘したが、どうがんばっても元の環境を取り戻すことは難しいようだったので、新たにThunderbirdをインストールし、アドオンのImportExportToolsを使ってバックアップしたmboxデータをインポートした。仕事のメールが復活した時の安堵感。ほっとして思わず力が抜けてしまった。

メールのデータが飛んでしまったとしても、過去に扱った案件のデータは保存してあるし、送受信も問題なくできるのですぐさま業務に支障を来すわけではないのだが、取引先とやりとりしたメールは後から参照したいときがあるし、以前担当した案件と関連がある案件を依頼された場合は、作業に入る前に以前の流れをメールで再確認しておきたい。これができなくなるというのはやはり不安だ。

どうにかこうにか環境を再構築した私が次に検討したのが、万が一に備えるためのバックアップ体制である。外付けの記憶媒体にインストールできるPortable版のThunderbirdは持ち運びに便利だし、いざとなれば丸ごとコピーすればバックアップできるので手軽なのだが、手元に置いている以上、たとえば火事になったりするとパソコンも記憶媒体もまとめて灰になる可能性が高い。ここはやはりクラウドというか外部のサーバにでもデータを保存しておきたい。

こういうときのために、メールにはIMAPというプロトコルが用意されている。よく利用されているPOPは、サーバからローカルにメールのデータをダウンロードするが、IMAPはサーバに保存したデータを閲覧するかたちになる。ローカルにもデータはダウンロードしているので、サーバに問題があってもデータがすべてなくなる心配はない(逆もまた然り)。

私が仕事で利用しているメールアドレスはniftyのもので、このプロバイダもIMAP機能を提供しているのだが、Thunderbirdで試してみたところ、サブフォルダがうまく作れなかったり、フォルダをうまく削除できなかったりしたので却下した。今回利用することにしたのはGmailである。Gmail+IMAP+Thunderbirdの組み合わせは、多くの人が利用していて検索すると関連情報がたくさん見つかったし、Thunderbird上の操作も非常に簡単だった(過去のメールデータは、Thunderbird上でフォルダをGmailの方へドラッグアンドドロップすると次々とサーバへアップロードされていった)。なお、GmailにはMail Fetcherという機能があり、外部のプロバイダのメール(たとえばnifty)をGmailで送受信することができるのだが、これはGmailに何かあったとき怖いので採用しなかった。niftyにはメール転送サービスがあるので、これを利用してGmailにメールを転送し、niftyに届いたメールそのものはサーバに残すように設定した。これならGmailに何かあってもniftyにアクセスすればメールを取得できる。

最終形態:Gmail+IMAP+Thunderbird+niftyのメール転送

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