最近、「図書館戦争」、「キッズ・リターン 再会の時」、「闇金ウシジマくんPart2」といくつか邦画のDVDを借りて観賞していたところ、どの作品にも濱の狂犬・黒石高大氏が出演していて感動しました。アウトサイダーは今年で引退するそうですが(参考)、今後益々のご活躍を祈念しております。
アウトサイダーといえば、泣く子も黙る健康優良不良少年(一部壮年を含む)のお祭りであり、私も大会のDVDをまとめて借りて楽しんで参りましたが、ツタヤにあるDVDは全部観てしまったので新作が出るのを首を長くして待っている状態です。せっかくツタヤに行ったのに借りる物がなくて帰ってくるのもシャクなので、先日ほかの団体の地下格闘技系DVDを借りてみたところ……
これがどうにもダメでした。
アウトサイダーに出場している選手も複数参加しているので期待していたのですが、映像作品として成立していませんでした。アウトサイダーはリングスが主催しているだけあって、そのDVDでは大会開幕前の試合会場周辺の様子、試合前の選手の表情、ファンの声などをうまく拾って編集し、試合に向けた期待感を高め、試合前の選手の紹介でも過去の試合での活躍ぶりをKOシーンなどを織り交ぜ、観ている側の気持ちを盛り上げてくれます。
試合が始まると、今度は複数のカメラで至近距離から選手のファイトを見せてくれます。民放のボクシングなどを観ていると当たり前のように思えるのですが、あの迫力もただ近くで撮っているから実現できるわけではなく、カメラマンと編集スタッフの奮闘があってはじめて成り立つものなのだな、とその水準に達していない映像を見て気づかされました。いくら試合の内容が良くても漫然と同じようなアングルで殴り合いを見せられると飽きるんですよね。
格闘技をエンターテイメントして見せるという意識が作り手にあるかどうか、その意識があったとしてそれを実現する技術を持っているかどうか、DVDを観ながらいろいろと考えさせられました。これからもリングスが手がけた試合は観ていきたいと思い、私をそういう気持ちにさせたプロの仕事に称賛のグラスを捧げつつ(中身はいいちこ)、ああ、人はこうやってファンになっていくのだな、と感心しました。
先日、7年ほど使っていたフィリップスの電動ひげそりが壊れたのですが、私はその日のうちに新しいフィリップスのひげそりを注文しました。まったく迷うことなく、再びフィリップスの製品を選んだのも購入後何の不具合もなく何年も働き続けていた製品、ブランドへの信頼によるものです。
本でもこういうことありますよね。先月くらいから、又吉直樹氏、仁木英之氏、鈴木大介氏の書いた本をそれぞれ数冊読みました。又吉さんの本を手に取ったのは、「火花」がきっかけでしたが、図書館で予約して数百人待ちになっていたので、「火花」以外の作品を借りてきたところ、「東京百景」や「第2図書係補佐」がたいへん面白く、予約なんて待っていられなくなって「火花」の収録されている文藝春秋を購入しました。仁木さんは「撲撲少年」を以前読んだことがあったのですが、「まほろばの王たち」を読んだら止まらなくなり、その勢いで「僕僕先生」を読んだらこれも大当たりだったので、今は「薄妃の恋」を読んでいます。鈴木さんは、漫画の「ギャングース」から入りました。「家のない少年たち」、「老人喰い」と立て続けに読んだところ、自分の視界がパカーンと開ける感覚があり、爽快でした(内容を考えると爽快というのは適当じゃないかもしれないけど)ので、次は「振り込め犯罪結社」を読もうと思っています。
この人の書くものなら間違いない、という期待が私を駆り立てているのでしょう。文章で人を行動させてしまう力量。惚れます。私もクライアントからがんがんリピートしてもらえる人間でありたい。いい仕事をしている人たちを見ていると、自然にそんなことを考えます。よし、手を動かそう。