エージェントから「今回の原文には手こずってますね」との電話をもらった。こちらとしては特にそういう印象は持ってなかったのだが、できあがった訳文が読みにくいことは確かだった。そりゃそうだ、原文がひどく読みにくいのだもの。
元になった英語や日本語の文書があり、それの中国語訳をつぎはぎし、その会社特有の情報も盛り込んであるので文体が統一されていない。書いてある内容は難しくないのだが、専門用語が多用されているのでじっくり読み込まないと意味が分からないところもある。そういう原文なのであがってくる訳文もそういう訳文になる。当然だ。ある言語で書いてあることを、できる限り正確に別の言語に置き換えるのが私たちの仕事であって、分かりやすく編集するわけにはいかない(それは別の人の仕事)。悪文を翻訳しても悪文にしかならない。
このあたりを分かってもらいたいのだが、なかなか分かってもらえなくて私はモニターの前でよくタコ踊りをしている。