10月半ばからぐずぐずと風邪を引き続けていた息子が11月の中旬になって高熱を出した。
連日かかりつけの小児科に足を運び、色んな薬を試し、鼻水の吸引などを施してもらったがいっこうに良くならない。医師も心配して近くの大学病院で精密検査をした方が良いだろう、ということで紹介状を書いてくれた。紹介状をもらい、さあそれじゃあ明日は大きい病院に行こうか、と思っていたらついには解熱剤まで効かなくなった。あわててその日の夜に大学病院の救急外来に駆け込んだ。熱を測ると40度に達していて、多少の熱なら元気な息子もさすがにぐったりしている。あちこち触診して血液検査もしてもらい、待つことしばし・・・。医師の結論は「風邪だろう」だった。鼻水も出ているし、せきもしているからそれはその通りだろう。異論はない。出された薬は、すでに効かなくなっている解熱剤+痛み止めだったが、息子の体重を考えるとめいっぱいの量が出ており、それ以上はどうしようもないようだった。せめてどこが痛いか教えてくれればと思うのだが、ようやく言葉を覚えたばかりの相手にそれを求めるのは酷である。結局、その日はこれといって何もできないまま深夜に帰宅した。
事態が大きく動いたのは明朝である。早朝、ベッドをのぞき込むと息子の頬に何か液体が固まった痕がある。鼻水かな?それにしては量が多いな、とその液体の痕をたどると、それは耳から流れ出ていた。信じられないくらい大量の膿が耳から流れ出て、耳の穴が完全にふさがっていたのである。あわてて妻を起こし、朝一番で近所の耳鼻科に診てもらった。完全にふさがった耳を診て、「なんじゃこりゃあ」と医師ものけぞる。思えば高熱を出す2日ほど前、右の耳から大きな耳あかが顔を出していたのである。粘着質で綿棒でもなかなか取れない息子の耳あかが勝手に出てきた時点で異変に気づくべきだった。耳の中が腫れ、膿に押されて出てきたのだろう。
医師の診断は急性中耳炎。内耳の方まで炎症が広がりかけていて、心配した医師が休診日にもかかわらず電話をくれたほどだった。耳鼻科で処方された抗生物質を飲み、点耳薬を滴下することで息子はぐんぐん元気になり、3日目には解熱剤と痛み止めを必要としないまでに回復した。耳鼻科の医師に感謝感謝である。
今回の教訓:急に耳あかが出たり、子供が頭を押さえて顔をしかめたりしていたら、とりあえず耳鼻科を受診すること。