講談社中日辞典第三版を入手した。発売とほぼ同時に本屋に走ったわけで、何もそんなに急がなくても良さそうなものだが、この辞典はネットに接続して「現代中国語新語辞典」を1冊丸ごとダウンロードできる上、更新機能で新語・流行語など最新データを入手できるという斬新な中日辞典なのである。ついに中日辞典もここまで来たかと私が興奮しても仕方ない。
辞書の内容は、本屋で立ち読みすれば確認できると思うので(2色刷りで実に見やすい)、以下パソコン上で利用する辞典のフロントエンドツールを中心に第一印象などを書いておく。
下図がインストールされる辞書引きツールである。新語辞典もほぼ同じUIで、どちらも内容を全文検索(!)することができる。アプリケーションのヘルプファイルを思わせるそっけない見た目だが、動作は軽快で検索も速い。
日本語と中国語、ピンインのフォント表示はきれいで見やすく、ご覧の通り挿絵や画像も表示される。検索は見出し語の前方一致、後方一致、完全一致のほか、上述したように辞典の内容を全文検索することができる。中国語とピンインだけでなく日本語でも検索することができ、検索した語句はハイライト表示される。日中辞典のように使えるし、全例文を対象に検索ができるのは実に頼もしい。
右クリックから選択テキストを検索することができ、クリックして同義語にジャンプできるリンク機能もある。このあたりは電子化された辞書の強みだろう。また、紙の辞典で巻末にまとめられている固有名詞はメニュータブから確認することができる。この固有名詞の部分は、見出し語には登録されていないが全文検索を行うとヒットする。ブランド名などをさっと引けるのはなかなか便利だ。
初回起動時に辞典ウィンドウの「更新」ボタンを押して入手する新語辞典も画面のつくりは同じである。
少し検索してみたが「蚁族」や「蜗居」は登録されていなかったし、「草泥马」も「囧」も未登録だった。下品な言葉があまり登録されていないようでつまらなかった残念だったが、これこそ今後の更新で追加されることを期待したい。アップデートが楽しみだ。
難点をあげるとすれば「辞典ウインドウ」を経由しないと中日辞典.exeと新語辞典.exeを起動できないところが不便だ。ランチャなどに登録して素早く起動できるようにしたいが、キーボードから手を離してマウスでポツポツしないといけないのが煩わしい。できればこれもアップデートしていただきたい。
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まだ購入して半日ほどだが、この辞典には満足している。これまでの辞典と違い、全文検索で収録されているコンテンツを隅々まで利用できるだけでも7980円の価値はある。日々生まれる新語が更新で追加される機能も売りっぱなしでない作り手の姿勢が現れているようで(実際どのような更新が行われるかは未知数だが)好感が持てる。ぜひ他社も続いて欲しい。
極私的評価:★★★★★